Bスポット療法とは
Bスポットは、鼻とのどの間にある上咽頭のことで、「のどちんこ」の裏側にあたる部分です。子どもの頃にはアデノイドがあった場所であり、鼻から呼吸する際に空気が通るため、ウイルスや細菌、大気汚染、細かいホコリなどにさらされ炎症を起こしやすい傾向があります。そして、Bスポットに起こっている炎症が、慢性的な肩こり、だるさ、頭重感、鼻閉感、呼吸しにくさといった症状を起こしてケースがあることがわかってきています。
Bスポット療法は、医学分野では上咽頭擦過治療(EAT)と呼ばれています。Bスポットの状態を改善することで、これまで他の治療では十分な効果を得られなかった慢性的な体調不良からの回復が期待できます。
Bスポット療法をおすすめしたい症状
- 急性・慢性の咽頭炎
- 肩こり、だるさ
- 頭重感、鼻閉感
- 風邪をひきやすい
- のどがイガイガする
Bスポット療法によって上咽頭の炎症を解消することで、上記のような症状の改善効果が期待できます。
また、Bスポット療法の研究が進み、IgA腎症、アトピー、喘息などにBスポット療法の効果が認められたという報告もされています。ただし、こうした疾患に対する効果はまだ確実なものではなく、個人差があると考えられています。
Bスポット療法の内容
Bスポット(上咽頭)に塩化亜鉛液やルゴール液を直接塗布する治療法で、外来で受けられます。口から器具を挿入して、擦るように塗布します。薬剤を用いなくても一定の効果があるという指摘もありますが、当院では消炎効果のある塩化亜鉛液を使用しています。
塗布時には痛みを感じ、治療後はしばらくヒリヒリしますが、消炎効果が出ているため生じています。当院では、ヒリヒリを早く解消し、さらに消炎効果を高めるネブライザーをBスポット療法後に行うようにしています。 上咽頭に炎症があると、Bスポット療法後に鼻水や痰に血が混じったり、唾液がピンク色になったりしますが、自然に数時間で解消します。
急性の軽い炎症では1回のBスポット療法で効果を期待できますが、慢性的な不調がある場合には週1回の頻度で受けることをおすすめしています。特に、Bスポット療法とネブライザー、内服薬処方を組み合わせた治療をしばらく継続すると高い改善効果が見込めます。
Bスポット療法を行うことで中断が必要になる治療もありませんので、幅広い方が安心して受けていただけます。